Nov 16, 2025
Art photograph Group show (2025. November)
Nov 1, 2025
Group show
忘れかけの記憶というか、消えていく夢というか、たとえば被写体をうまく写すことも重要ですが、わたしはずっとそこに在るかのような空気に、反応することの方が大事です。
二眼レフの正方形ファインダーを覗きながら、近くで見ているのに遠い印象、鮮明だけどおぼろげな光景、そういったものを写し撮ることができるなら、それは原型をとどめない程にシャッターを切る多重露光ではないか、と繰り返しました。
考えてみると、対象となる傷や錆や罅、黴、擦れ、汚れ、剥げ、染み、凹み、不気味な痕跡、不思議な実在感、ボロい色の隙間と奥行きの空間、虚ろに見えるのも、ある感情が湧きおこり枯れていった、余韻なのかもしれません。
撮影した色々な年代の色々なメーカーのフィルムを、現像のプロセスでモノクロもカラーもネガもポジも全てをいかに混ぜるか、バリエーションが安定しないように、同じ結果にならないように、失敗も含め曖昧なイメージを写真にしたいと単純に思います。
また写真はイメージであって物質でもあります。乾燥したフィルム同士を詰め込んで、漂白し擦って剥がし溶け出し混じり合って浮かび上がる現象は、前後、左右、上下、表もあって裏もあります。それが写真の面白さでデジタルデータに変換しました。
そこには写真をデータ化する過程で、変化する瞬間、変化しつつ凝固したと考えるしかないと、同時にそれは自意識の変化も生じるべきものです。そう簡単に自意識や無意識はコントロールできませんが、そういった意識の変化の上で、また一枚の写真に向きあう時、確かにリアルに在ったあの空気が、何か、幻を見せられているようで、そわそわします。
森川健人
11日(火)から東京・日本橋茅場町のレクトヴァーソギャラリーにて。お近くにお越しの際は、ぜひご高覧ください。
【展示内容/インクジェットプリント、カラー】
Dec 1, 2024
Art photograph Group show (2024. November)
Art photograph group show (2024 November)に参加しました。ありがとうございました。
今回展示した新しいシリーズ"the versions"は見る人が題名に引っ張られることがないように、出来るだけフラットな言葉でなるべく具体的な情報を入れないようにこのタイトルにしました。見る人がどう考えるかが今の自分にとっては重要だと思っているからそうしました。
なんで自分自身そう云うことをしているのかは説明出来なくても、明らかにモチベーションがあってやっている感じです。自分が面白いと思っていて、コレが写真かどうかはわからなくなる時があり、自分でもわからないってところがすごく重要で大事だと思っています。
わからないことは面白いことなので、繰り返し歩いたり撮ったり、わたし自身もわからなくてやっていることが、いつかわかって説明が出来るようになると、そこでモチベーションがなくなりそうです。なので方法とか過程の説明は出来ても「わたしの作品はこうなんです」って説明は出来なくて、結局説明出来ないから写真にしています。
森川健人
I participated in the Art photography group show (November 2024).Thank you very much.
The new series "the versions" that I exhibited this time is clearly motivated, even if I can't explain why I do it.
I find it interesting, and there are times when I don't know if it's a photograph, and I think it's very important and valuable that I don't know myself.
Not understanding is interesting, so when I walk and take pictures over and over again, and one day I understand and can explain what I'm doing without even understanding it, I think my motivation will disappear. So even if I can explain the method or process, I can't say "this is what my work is like," and in the end, I take photographs because I can't explain it.
Kento Morikawa
Nov 22, 2024
Group show
森川健人
Nov 3, 2024
Sep 18, 2024
Jul 12, 2024
May 13, 2024
May 6, 2024
Mar 29, 2024
Book
The Works of Kento Morikawa -Lucien Deux (2016)
255×215mm/本編142項/写真点数90点/上製本
2016年刊行.33STUDIO BOOKS.
ISBN978-4-907485-04-7/Edition.200
2024年制作/Edition of 1(Cover + Collage)
※フランス・パリの路上で撮影した自身二作目。2013年にZINEとして刊行した『LUCK OF LUCIEN』の続編です。前作はパリ・バンリュー(郊外)で撮影しました。今作では移民街特有のケバケバしい町並みとザワザワとざわめくような感覚を、通りすがりのスナップショットで写しました。他にも前作までと異なる点は、これまでは意識的に省いていた、風景の中に人が一杯写り込んだカットも収録しています。
「パリへは高校生のころ幼馴染の友人と二人、大人に誘われるがまま10日ほど学校をサボって旅をしたのが初めでした。その時が国際線に乗った最初の旅でもありました。当時憧れでも特別興味があった都市でもなかったけど、その後も何度か歩いています。昨年ドイツの旅の最中、いきなりあの時分の感覚が鮮明に蘇り、何十年も経ち昔訪れた場所を無性に写真にしたくなって渡航してみました。形(写真)にすることで、予想外の発見とこんな程度だったかと残念な気持ちとを同時に味わうこともあります。
そして、この旅の帰国当日シャルル・ド・ゴール空港を昼の便で発ち、その8時間後にあの同時多発テロが起こったことは、大阪に着き乗り継いだ南海線で知りました。その瞬間、身の毛がよだち真っ先に浮かんだのは、サン・ドニはサン・ドニでもパリ市内10区のストラスブール=サン=ドニ駅周辺で昼間っからズーと暇そうにたむろしていた大勢のアフリカ系の人たちのシルエットや、移民街シャトー・ドー駅前のお世話になったアラブ人宿の主人と小さな声の掃除のオバさんの顔……彼等の現在の表情を想像しました。
分らないまま、決めつけも出来ない……あれから何度も歩いてみたけどピタリと着地しません。目の当たりにしたゴミだらけの路上でこれまでのことが一寸だけ蘇り、様々な思いも溜め込んでまた新たな気分になります。そして歩き廻ってその土地の空気を封印したフィルムが残り、多くの光景が心に溜まった旅の感覚は、あの時から今も続いているようです。」(「あとがき」より)

















































