「 ブックカバーのようなもの」
不定形に千切れた紙片が暗室用バットに山盛りに溜まって収集不可能な光景、そんなタイミングで貼る気持ちが湧いてきます。一旦貼り始めると作業は連鎖していきます。それで何を表現したいのか、なぜその形になっていくのかは考えません。
たとえば建物や壁、路面や看板、人間や植物など偶然撮った見慣れた写真の断片、その端っこや裏っ側、なんでもいいです。ふとしたタイミングでそれらに接するとき、ペタッと貼り付くような感覚と同時に目の前の形が一瞬現れて、消えてゆきます。
そんな拙さがずっとあり、拙さを使って工作してます。キッチリと始めるとどうしても上手く交差していかない、もどかしさのような感触を覚えます。たまたま立ち現れた表面が自分にとってなにに見えるのか?反応し、それを手掛かりに写真の位置を置き換えようとしています。